「あしたの猫」原発事故きっかけに美術学校生が絵本出版

「あしたの猫」原発事故きっかけに美術学校生が絵本出版 今回の記事は書籍紹介。このほど出版されたばかりの絵本「あしたの猫」(オフィスエム)を読ませて頂きました。

 こちらを描かれたのは、現在は東京都内の美術学校に通っている遠藤綾乙さん、16歳。昨年3月の東日本大震災による福島の原発事故をうけて自分ができることを考え続け、「やっぱり絵を描くことしかできない。ならば多くの人が考えるきっかけになれば」と絵本の制作を決意。約10カ月かけて今年の8月に完成しました。

 物語はある猫が平和に暮らしているシーンから始まります。そこに突然起こった悲しい出来事。何がなにやら分からないまま、猫は無人の街をさまようことになり…。

 14ページの短いお話ですが、猫好きでなくともグッと胸を打たれます。私たちの見えない所で確かに起きていたであろう、そんなシーンが柔らかなタッチと色使いで描かれています。

 「猫の目線になって読んでもらえたら」とあとがきにありますが、罪のない彼らは一体どれだけつらく心細い思いで街をさまよったのでしょう。きっと明日もいつも通りやってくる、と思っていたに違いないのに…。想像しただけでも本当に悲しいのですが、私たちはそれを現実として受け止めなければなりません。

 遠藤さんは今春の中学卒業までを長野市ですごしたこともあり、この絵本は同市の出版社であるオフィスエムの「紙の礫(つぶて)」というプロジェクトによって出版されています。震災を伝える書籍の出版にひと口2,000円からの協賛金を募るというシステムで、現在もサポーターを募集されているそうです。

 絵本のサイズは横17センチ×縦20センチで、1冊840円。オフィスエムのホームページから注文することができるほか、Amazonなどでも購入可能です。

【情報源】
『あしたの猫』発刊します(オフィスエム)